「起きたの?」

 聞きなれた彼女の声がする。
 本当はまだ、その声を聞いたことなんてほんの何回かしかないのに。
 だが。
 自分に何が起こっているのかなんて、分かっている。

「やあ、ルウ。相変わらず綺麗だね」
「馬鹿」

 その目は涙に濡れていた。
 そして彼女が何か言いかけようとしたとき、先に自分から声をかける。

「ごめん、ルウ。今さらかもしれないけど、聞いてほしいことがある」
「なに?」

 そして彼は、ゆっくりと、告げた。



「君を、愛している」







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