『突撃! 飯山ミライのはちゃめちゃ中学生レポート! みなさんこんばんは! 飯山ミライだよ! 私と同じように全国で活躍する中学生を追いかける毎週木曜恒例のこのコーナー。なななななんと今日は、みなさんご存知、あのネルフへとやってきましたっ! じゃじゃーん!……って、入口からして広っ! この中で全国から集まった約七百人の少年少女たちが、世界の平和を守るために日夜訓練を続けています。使徒が襲ってくるのがいよいよ今年。今日はそのネルフの中で『サードチルドレン』っていう、本部七百人の中でもトップの成績をおさめている碇シンジくんを突撃レポートです! え? なんでトップなのにサードなんだって? いやー、それはミライもまだよく分かってないんだな! それを今日は一日がかりでじっくりとレポートしちゃうからね!』












第佰話
















 四月二十三日(木)。

 その日、ネルフには珍客があった。といっても、事前にネルフ本部では了承を得てのことであったが、サードチルドレン碇シンジを紹介する民放テレビの取材であった。
 一日がかり、とはいっても朝八時から昼までの取材で、その日の夜のニュース番組ですぐ取り上げられるらしい。最悪の場合放映事態が難しいというトリッキーなコーナーだ。だが、レポーターの中学三年生アイドル、飯山ミライの『はちゃめちゃ』な言動もあって、世間では実に人気のあるコーナーとなっている。
 もっとも、飯山ミライに対する評判は、是か否かで中間というものが存在しない。
『飯山ミライ? ああ、とっても面白い子よね。見ていて気持ちいいわ』
 というものと、
『飯山ミライ? あの、人のプライバシーになんでも入り込んでくるやつか。あんまり好きじゃねえな』
 というものだ。
 シンジとしてはもともと引っ込み思案な性格でもあるため、相手が強引な方が逆にありがたいところはある。だが、プライバシーに踏み込まれるのは勘弁してほしいとも思う。微妙なところだ。
 午前八時。予定通り、飯山ミライが突撃訪問してくる。
「おはようございます! 碇シンジくんですね! はじめまして! 飯山ミライです!」
 既に中にはガードのエンもいる。二人でミライとカメラマン、ディレクターたちを出迎える。もちろんこれはネルフへの公式な取材も兼ねているため、後ろにはミサトにリツコ、そしていつの間にか帰国していたヨウの姿もあった。
「は、はじめまして」
「きゃー、ういういしい! はいはいカメラマンさん、ちゃんと綺麗に撮影してよね!」
 そして有無を言わさず手を取って握手。そしてカメラに向かってにっこりと微笑む。自分もそうした方がいいのだろうか、とシンジはしばし戸惑う。
「今日半日ですけど、よろしくお願いしますね! もう朝食は取り終えたんですか?」
「はい」
「それじゃ、この後はどういうスケジュールなんですか?」
「一時間目から三時間目まで、今日は英語、国語、数学です。それが終わったら射撃訓練を行って昼食休憩。それからトレーニングになります」
 午後からの模擬プラグによるシンクロテストについては非公開であるため、取材の許可は出していない。したがって『昼まで』の取材となる。今の応答もあらかじめ決められていたものだった。
「それじゃあ、普通の中学生と同じように勉強もしてるんですか?」
「はい。万が一、適格者をやめなければいけなくなったとき、公立中学校に復学できるようにするための配慮だそうです」
「へえええ、ネルフって一見そういうところ、まったく無頓着に見えますけど、やることしっかりやってるんですねえ!」






『というわけで、一時間目から三時間目まで、ミライはシンジくんと一緒に勉強してきました。こっちの方が疲れたかもー! でもでも、シンジくんって、実はエヴァンゲリオンの操縦だけじゃなくて、成績もいいんです! シンジくんの学年は四百人とかいるんですけど、順位はなんと十六番目。ミライだったら半分にも入れないね! すごいよ! それからもう一人、一緒に授業を受けているこっちのかっこいい子は、シンジくんのガードをしてくれている古城エンくん。すごい優しくて親切な方でした。惚れるね!』






 四時間目は射撃訓練の時間。カメラマンが入ってくるとあって、普段は和やかな適格者たちも、今日ばかりは真剣な様子だ。ケンスケだけは本物のテレビ機材ということで盛り上がって技術者に話を聞いたりしていたが、ミサトに叱られた。
「これって本物の銃なの?」
 ミライがシンジに尋ねてくる。
「うん。当たると大怪我するから気をつけて。絶対に人に向けないで」
「分かった。私も撃ってもいいのかな?」
「それは教官に許可をもらわないと」
「そうだよねー。一回撃ってみたかったんだけど」
 とミライが言うと、ミサトは拒否反応を見せたが、リツコがOKを出した。
「いいの?」
「ええ。単に銃を撃つということがどういうことなのか、彼女なら正確にレポートしてくれるでしょうから」
「彼女ならって、あの飯山ミライでしょ? あんな子にレポートなんてできると思えないけど」
 どうやらミサトは否定派の方らしい。だがリツコは苦笑した。
「あなた、案外人を見る目がないのね」
「は?」
「あの子は、とんでもない演技派よ。それに、仕事には人一倍真剣だわ」
 リツコのミライに対する評価は肯定派のそれとも違う。面白い、楽しいではない。高い評価をつけている。
「そうかしら」
「ま、分からなくてもいいわよ。分かってもらおうとも思わない。おそらくは本人も分かってもらいたくてやってるわけじゃないでしょうし」
 実際のところ、面倒な民放の取材などリツコはお断りだった。だが、飯山ミライがレポーターということでGOサインを出したのがゲンドウとリツコだった。リツコはミライという人物を高く評価していた。一方でゲンドウは飯山ミライの直筆サインをもらってニヤリと笑っていたとか。
「じゃ、シンジくん、教えてくれるかな」
「うん」
 そしてシンジは銃を撃つときの姿勢から、呼吸法、指のかけかたなど細かく指示していく。普段、教官や他のメンバーからやられているように相手に触れなければうまく指導ができないので困っていると「全然気にしなくていいから」とミライが言うので、やむなくその手に触れて位置を修正する。シンジは顔が真っ赤だ。
「衝撃が大きいから、しっかりと足を入れて」
「ん」
「ゆっくりと息を吐きながら、トリガーを引いて」
 そしてミライが撃つ。が、そのあまりの衝撃に両手が後ろに持っていかれるかと思った。弾は標的からはるか上方にぶれて、全くあたらなかった。
「いたぁい」
 トリガーを引いた右手より、支えていた左手の方をいためたらしい。
「大丈夫?」
「うん、平気。でもシンジくんたちはすごいね。こんなの軽々と扱えるなんて」
「何事も慣れだと思うけど」
「それでも。やっぱり鍛えてるってことだよね。すごい」
 ミライはいつしかシンジを尊敬の眼差しで見ていた。






『というわけで、ミライの弾はとんでもない方向に飛んでっちゃったんだけど、怪我人が出なくてほっとしたよ。その後でシンジくんの射撃を見せてもらったんだけど、やっぱりきちんと当てることができるんだよね。すごいなあ。でも、こちらの真道カスミくん。シンジくんの仲間で、ミライと同学年なんだけど、この子が一番上手。最初の一発目が真ん中ですごいと思ったら、二発目がミス、三発目もミス……と思ったら違うの! 全部ど真ん中だから当たったように見えなかったんだね。本当に適格者の人たちってすごいなあ』






「休憩入りまーす」
 ディレクターの人が射撃訓練の撮影を終えて、機材をしまっていく。この後は昼休みの時間を使ってリツコとシンジにミライからインタビューすることになっている。その間にミライはネルフの制服に着替えることになった。本当はプラグスーツという案もあったが、それは情報非公開ということでリツコがNGにした。
「ミライちゃんも少し休んでていいよ。次は四十分後ね」
「はーい! おつかれさまですー!」
 ミライは答えると、すぐに更衣室へ向かった。
「なかなか大変そうだね、シンジくん」
 エンが苦笑しながら言う。本当に気づかれしていた。相手が強引に話を進めていくので、自分としては神経が磨り減って仕方がない。いや、ただ強引なだけならいいのだが、何かミライには別の何かを感じる。
 もっともそれが何かなど分からないので、シンジは気にせず射撃トレーニングを再開した。撮影は終わったが、トレーニング時間はまだ二十分ある。射撃ランクがまだ及ばないシンジは人より多く練習しなければならない。
 練習といってもやみくもにすればいいというものではない。基礎を忠実に繰り返すことで飛躍的に伸びることもあれば、イメージトレーニングで自分の姿勢、体勢を立て直しながら撃つというようなこともしなければならない。
 実戦では常に構えて撃つということはできない。だが、どのような体勢でもできるだけ基本の姿勢に戻って撃った方が命中率は高い。だからこそ、さまざまな体勢から素早く基本姿勢に戻るような練習もする。
 シンジは集中力を高めた。徐々に自分の精神もコントロールできるようになってきた。回りの雑音を聞かないようにして、自分と銃、そして標的だけに集中する。
 集中するとき、人は余計なことは考えない。頭で考えるより先に体が反応する。体は俊敏に動いても、心は水鏡のように穏やか。それがもっとも理想的な精神。
 三連射。確実にダメージを与えるには二連射までが基本。だが、三連射できれば攻撃力はさらに高まる。三射とも確実に的にヒットしたが、中心ではない。まだまだだ。
 今度は銃をおろした状態から素早く構えて撃つ。確実にターゲットを捕らえなければ、撃ってもまず当たらない。その捕らえるまでの時間を可能な限り短くする。
 目を閉じ、開いてから瞬時に構え、撃つ。その繰り返し。
 二十分など、あっという間に過ぎていった。
「おつかれさまです」
 と、シンジに声をかけてきたのは部外者の女の子だった。ストレートの髪。とても綺麗な顔立ちだったが、知らない人だ。
「えっと、ここは一般の方は立ち入り禁止なんですけど」
「あ、はい。すみません。一応許可はもらいました」
「あ、そうだったんですか、すみません」
「いえ」
 と、沈黙。なんだろうこの間は。
「えっと、僕に何か用事でしたか」
「すみません、休憩時間だったので、少し見学させてもらっていただけなんです」
 休憩時間?
 そういえば先ほど、ミライが休憩に入るとかなんとか。
「え」
「あ、もしかして」
 くす、と女の子が笑った。
「私、飯山ミライです。髪型が変わると気づきませんでしたか」
「……すみません」
 こんなに綺麗な女性をすぐに判断できないとは。
「いいえ。というより、私の方が普段とあまりに違うのでびっくりされたかと思います」
 確かに、先ほどまでの傍若無人さが全くない。ここにいるのはおしとやかな、どこにでもいるようなお嬢様だ。
「じゃあ、さっきまでのは」
「演技です。プロデューサーが、元気でちょっとくらいはちゃめちゃな方が人気が出るからって。本当の私はこんなふうにちょっと暗くて、あまり元気とはいえませんから。アイドルとしてはあまり人気、出ませんよね」
「そんなこと」
「いいえ。だって、今の私とテレビに映っている私、どちらの方がテレビ受けすると思いますか?」
 正直に言えば、確かにはちゃめちゃなミライの方が見ていて面白い。面白いのだが──
「でも、今のミライさんの方が、安心して話せます」
「よかった」
 ミライは笑顔になる。
「『飯山ミライ』は本当はこんな性格なんだ、って言われたらいろいろと問題になりますから」
「そうなんですか?」
 芸能界のことはよく分からない。
「はい。『ミライ』はとにかく元気で、人に迷惑をかけてでも前に突き進むようなキャラクターでなければいけないんです。だから自然とそういう役割の仕事が回ってきます」
 ミライが言うと、他の適格者たちも気づいたらしい。
「それじゃ、また後で。インタビューのときは手加減しませんからね」
 微笑を残してミライは立ち去る。
「あれ、いまのべっぴんさん、誰や?」
 トウジが尋ねてくる。
「ミライさん。髪をおろしたみたい」
「嘘やろ!?」
 トウジが驚き、さらには他の適格者たちも盛大に驚く。
「美人だな」
「写真撮っておけばよかった」
「普段よりもいい印象ですね」
「そうかあ? なんか元気ない感じだけどなあ」
 と男子連中が一気にアイドル評価へと変わる。
「シンジはミライさんと話してたよな。どんな感じだった?」
 コモモの問にシンジが答える。
「いい人だった」
「いい人?」
「うん。テレビで見るミライさんとは、全然違った」
 それが素直な感想だった。






『ちなみに、サードチルドレン碇シンジくんは、能力的にはランクAになれるだけの力がなかったという話も聞いていますが、それについてはどうですか?』
『確かに運動能力という点においては他の適格者たちより劣っているのは確かです。ただ、エヴァンゲリオンの操縦技術という点においては彼の力は他の適格者たちよりも倍以上の技術があります』
『倍以上って、操縦技術に点数なんかつけられないんじゃないですか?』
『あまり公開できる話ではないのでかいつまんで説明しますが、エヴァンゲリオンをうまく動かせるかどうか、それを我々はパーセンテージの数値で表すことにしています。この割合が碇くんは六十%以上。本部で四十%を出せる適格者は他にいません。ランクA適格者のほとんどが二十%台です』
『ははあ、運動能力よりもエヴァンゲリオンの操縦技術を優先して適格者にしたと』
『碇くんは総司令の息子ですから、適格者ランクが上がるたびにいろいろなやっかみを受けていました。ですが、よい仲間にめぐまれたおかげでサードチルドレンとしてネルフを代表する適格者になりました。当時はスタッフの中にも親の七光りと呼ばれていたこともありました。ですが、今ではスタッフ内に碇くんをそういう目で見ている人は一人もいません。特に我々技術部は、先ほどの数値を一%上げるために全力を、それこそ寝る間を惜しんでも研究しています。だからこそ碇くんの割合は脅威であり、味方としてこれほど頼もしいことはありません』
『聞きましたか、皆さん。弱冠十三歳の少年が、頼もしい、というんです。それだけシンジくんがネルフから期待されているかが分かるというものですね!』






 リツコにはそうした諸々の話を聞いておいて、シンジにはプライベートなことが質問されることになっていた。正直、専門的な話はリツコでなければ分からないことも多く、この質問の仕方はおそらくネルフ側から提案したものだろうというのは簡単に予想がついた。
「それじゃ、シンジくんへの質問、いいかな?」
「はい」
「まず早速だけど、どうして適格者になろうと思ったのかな?」
「最初は親に言われて強制的でした。ネルフ総司令の息子が適格者試験も受けないということになれば、父親としても体面が悪かったのだと思います」
「それがなんと、本部一番の操縦技術を持つ人物だったんだからびっくりだよね。まさに蛙の子は蛙ということだね! でも、適格者になりたくないとか、やめたいとか、そういうことを思ったことはないの?」
「あります。それこそ、毎日思ってました」
「過去形ってことは、今はそう思っていないんだ」
「はい。このネルフに来てできた仲間がいます。この二年間ネルフの中で過ごして、忘れられないことがたくさんあります。適格者をやめるというのは、そうしたもののすべてを裏切ることじゃないかと思っています」
「世界のために、とかってあまり思わないんだ」
「少なくとも僕は最初からそういうことをあまり考えてはいませんでした。せめて僕の大切な友人や家族を守れるならと思って続けてきました。今まで僕は回りから助けられてばかりでしたけど、今は僕が回りの人たちを助けることができる。それなら僕は少しでも役に立ちたいと思う。それが続けている一番の理由だと思います」
「立派だねー。いや、ミライの運命だってシンジくんが握っていると思えば、足を向けては寝られないなあ」
 そこで一回笑いが起こって途切れる。
「それじゃあ今、仲間の話とかも出てきたけど、どうでしょう、ズバリ、シンジくんが今一番好きな女の子はいるのかな!?」
 そのインタビューを見学していた適格者たちが一斉にざわつく。
 今のシンジに、その質問だけはない。エンが睨むようにミサトに詰め寄る。
「葛城教官」
「分かってる。その質問はNGだったはずなのに。飯山さんもそれを承諾したはずよ。ちょっとプロデューサーに問い合わせるわ」
 ただちにネルフ側が動き始めた。だが、そうしたやり取りを全く知らされていないシンジは何事もないかのように答えた。
「いました。でも、もういません」
「ん? それって、適格者が相手でやめちゃったっていうことかな?」
「適格者には違いないですけど、彼女は死んでしまったんです」
 ミライの表情が固まる。質問をNGにした理由までは聞いていなかったのだろう。明らかに今までの様子とは違っていた。
「ごっ、ごめんなさい──」
「別にミライさんが謝ることじゃないですから。ただ僕は、死んだ彼女のためにも、もっとがんばろうと思っています。それは悪い意味で彼女のことを引きずっているとかではなくて、その事件をきっかけに、使徒と戦うっていうことを前向きに考えるようになったという感じです。僕が使徒を倒すことで、百人の泣いている人を九十人に、一万人の泣いている人を九千人に減らすことができればいいと、今は思います。僕にしかそれができないと、周りからはプレッシャーを受けます。僕もどうして僕なんかが、って思っていました。でも、いずれにしても僕の前に道があるなら、誰かに言われて進むより、その道を進むことを自分で選ぼうと思っています」






『今回は、本当にショックだった。なんていうのかな、ミライたちには分からないところで適格者のみんなががんばっているんだなっていうのを実感したんだ。一番の違いはやっぱり、命、ってことなのかな。命を背負っているシンジくんや適格者のみんなは、きっとその責任を背負っているからこそ、自分とは違う何かを感じたんだと思う。
 ミライも、実は適格者試験を受けてたんだ。見ての通り適性がなかったから今はこうしてアイドルやってるけど、もし自分の力が少しでも役に立つんだったらと思って試験を受けた。そのときのことを少し思い出したよ。
 だからね、私もシンジくんや適格者のためにできることがあるならなんでもしようと思うんだ。
 さしあたっては、私にできることでネルフのお手伝いができればと思ってるよ! 何ができるかわからないから、インタビューした赤木リツコ博士に詳しく聞こうと思うけどね。みんなも少しでもこの地球が救われるように、今できることをしてほしい。それがミライからのお願いだよ!』






「はい、カーット!」
 今回のエンディングはいつもと違って真剣なものだった。普通ならはちゃめちゃにしたまま終わるのだが、今回だけはミライが自分から志願して、この最後の語りを入れた。
「真剣なミライちゃんもなかなかいいもんだね」
「ありがとうございます!」
「それとも、真剣になるくらい碇シンジくんのことが気に入ったのかな?」
「はい。それはもう!」
 ミライは両手を自分の胸にあてた。
「私、シンジくんのことが好きになったみたいです」
「おやおや」
 プロデューサーが苦笑する。
「私はシンジくんに守られたいと思います。でも、あんなにもろそうなシンジくんを支えてあげたいとも思うんです」
「なるほどなあ。強くて弱い。それでいて見た目がいいから、ミライちゃんのお眼鏡にもかなったわけだ」
「怒りますよ、プロデューサー」
「はいはい。それじゃ、次の仕事に行こうか。ミライちゃんがネルフ応援宣言をしてくれるおかげで、他にも仕事が入ってきそうだ」
「なんでもやりますよ! それがシンジくんの援護射撃になるなら!」
 ミライは笑顔で、次の仕事に向かった。






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