「よかった、まだ生きていてくれたんだ」

 赤黒い絶望の世界の中で、突如舞い降りた金色の奇跡。
 もはや助からないと思っていた自分の前に舞い降りた、女神。
 三年前のあの日、自分は、あの少女に心を奪われてしまった。

「私は魔法少女。あなたを助けに来たのよ」

 彼女の顔は笑っていて、それなのにどこか悲しそうだった。

「本当に、生きていてくれてよかった。もう、誰も助けられないのかと思った。ありがとう、生きていてくれて、本当にありがとう」

 感謝するのは自分の方なのに、どうして自分は感謝されているのだろう。

「生きて。あなたは生きて。それが私の願い。私はそのために、ここに来たのだから」

 どうして彼女は、笑顔で、泣いているのだろう。







第1話

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